その瞬間

2014年12月23日

「煩い! 足腰が立てる間に、温和しく帰った方が身の為だぞ」

「それは脅しだすか? 脅しを恐れるようなわい等と違いまっせ」
 村役人は、屋敷の奥に向かって大声で使用人たちを呼び寄せると、三人の男が飛び出して来た。
「こいつらを痛い目に遭わせて、外へ放り出せ」
 都合四人の男たちが亥之吉と周向榮卯之吉を取り囲んだ。亥之吉は天秤棒を両手に持ち直し、中段で真横に構えた。卯之吉は、落し差しの長ドスの柄に手にかけて亥之吉の後ろで構えた。
「遠慮いらん、こいつが長ドスを抜いたら、殺してもよいぞ!」
 村役人の命令に、男たちは奮い立った。だが、直ちに一人の男が悲鳴を上げた。その間に、亥之吉と卯之吉がくるりと入れ替わった。
 その瞬間、またしても一人の男が、空に呻き声Dr Maxを残してストンと崩れ落ちた。
「おのれ!」
 後から出てきた三人の内の最後の男が、短ドスを振り回して亥之吉に突進してきた。亥之吉は天秤棒の先でドスを掃い、天秤棒をくるりと回して反対側の先で男の横っ腹を打った。
 残ったのは、一番強そうな用心棒風の男である。この男には卯之吉が長ドスを抜いて男の攻撃に備えた。男も長ドスを抜いて卯之吉の胸を突き立てようとしたが、男の右横から周向榮亥之吉が天秤棒で長ドスを持つ両手をしこたま打ち据えた。
「わいが相手や、かかってきやがれ」
 一旦、怯みはしたものの長ドスを持ち直すと、上段から亥之吉の肩先を向けて斬り込んできた。
 亥之吉は横にすっ飛んでドスを交わすと、天秤棒の角が男の脳天を打ちつけた。男は真後ろに倒れて頭を土に打ち付け気絶した。
「わっ、堪忍や、つい本気になってしもた」 

Posted by shabishimmm at 16:48Comments(0)周向榮

簡単に嚥下反射が起こ

2014年12月15日

会っている時に、ガムを持っていたので、母に渡した。
「あら珍しい。」
高齢母は嬉し升中選校そうに包み紙をとり、両手で口に入れた。

両手で入れたところが子どもみたいだったので、おかしさもあり思わず、
「呑んだらダメだよ。」
と冗談を言った。
バカにして!と思ったらかわいそうなので、
「冗談だよ。」と言葉にもした。

しばらくして、
「ガム、出す?」
と聞いたら、
「え、ガム?」。

その瞬間、僕の思考は遠い昔に飛んだ。
まだ小さな子どもだった頃、ガムをもらう時に、
「呑んだらだめよ。」
と言われた、その升中選校声は母だった。

のんだらダメだ、のんではいけない、
そう自分に言い聞かせるのだが、
あ、と思うと呑み込んでいた。

子どもは口中が狭いので、塊が奥へまわりやすく、
簡単に嚥下反射が起こってしまうようだ。

加えて子どもの人生にとっては、ガムがまだ新参者なので、
せっかく口に入った物を、それもこんなにおいしい物を、
呑まないなどという感覚が存在していない。

思い返せば、僕はいくつのガムを呑んできただろう。

「呑むからだめ。」
と渡されなかった時もあり、
「絶対にのまないから。」
と懇願して受け保濕面膜取り、
やはり呑み込んだことも多々ある。

緊張しながら紙に出す振りをした記憶まであり、
でも「呑んだでしょ。」と言われたっけね。

懐かしい思い出に浸りつつ、僕はそっと話題を変えたのだった。

 

Posted by shabishimmm at 18:21Comments(0)